②「山本丈夫」
住民登録を放置して雲隠れ 「要注意ブローカー」にも名を連ねる悪党の素顔(1)
令和元年11月に債権者が山本丈夫に対して2度目の裁判を起こした際に、山本は裁判所に代理人を立てると連絡しながら、その後、一切その動きを見せないまま裁判にも出廷しなかった。そのため裁判は2ヶ月後の令和2年1月に判決が下され、債権者側の請求が満額で認められることになった。山本に対する請求は一部であったので、山本が負う債務総額から見れば1割にも満たない。
山本は、東邦グローバルの株式購入を債権者に強く勧めて、それで得た利益で債務を可能な限り相殺して欲しいと債権者に懇願しながら、株価が高くなったところで債権者が売ろうとすると、強引に留まらせて売るタイミングを失わせただけでなく、山本が債権者に約束した1株500円での買い取りを求めたところ、山本は了解して「確約書を書きます」と言ったが、その際、買い取りの価格について「1株300円でお願いします」と言うので債権者も同意した(株の買い取り総額は約7億円になる)にもかかわらず、確約書で約束した期限の平成20年12月末日前後から山本は債権者との連絡を絶って、所在を全く不明にしてしまったのである。
債権者が山本と知り合ってから20年以上が過ぎたが、山本は週に何回も債権者と銀座や赤坂で飲食を重ねた中で、その時の飲食代を払ったことは一度もなかった。もちろん、債権者も山本に払わせようとしたことは一度もなかった。それだけではない、山本の金銭的な頼み事にも債権者は応じてきたが、山本は借りる一方で、返済は皆無に近かった。山本が債権者に持ち込んだ金銭に絡む頼み事は全てが虚偽あるいは期待させるような成果など全くないものばかりだったのである。ロシア宇宙博開催という架空話や評価が3000万円程度のインドの美術工芸品数百点を十数億円と言っての融資依頼等、実際には詐欺行為そのものだったと言っても過言ではない。そして、揚げ句の果てに債権者を騙して株式を大量に買わせた上に巨額の損失を出させたまま行方知れずとなった。債権者が憤りを隠せないのは当然のことで、山本が所在を不明にして以来、今日まで一度も債権者の前に現れず、謝罪の一言も発していない。また、裁判で山本が主張したことは全てがでたらめで、何一つ真実も事実もなかった。前述の東邦グローバル株にしても、山本は、債権者に株の購入を勧めてもいないし、売り時を間違えたとすれば自己責任なのに、執拗に補てんを求められ、脅されて確約書の作成に応じさせられた、などという嘘を並べ立てた。
山本は過去に北海道で右翼団体に属していたようで、債権者が詐欺被害に遭った経緯から山本の経歴等を調査する中で判明したのが、山本が反社会的勢力の関係者の間でも有名な詐欺師であり、それで北海道にいられなくなったことや、大手企業の総務部が警察を含めて組織している横断的連絡会で作成したとみられる「要注意ブローカー」というレポートに山本の名前が載っている事実も判明した。
こうした、債権者による山本の所在確認や調査を進める過程で、あろう事か山本が反社会的勢力の暴力団員を使って債権者に危害を加えようとした事件も起きた。これは、山本から依頼された人間(実行犯?)が事前に債権者に情報を提供してきたために事件にはならなかったが、山本という人間がどれほどあくどく凶悪な人間であるかが分かる一例だ。
令和2年の年末以降、債権者の関係者が、山本が隠れ潜んでいるとみられる自宅を訪ねていた。その家は山本と偽装離婚したと思われる前妻が住む所だが、前妻は弁護士を介して15年以上も前に離婚して、山本とは一切音信不通であり、連絡先も知らないと通知してきたが、その住居は毎月の家賃が30万円近くもかかるところだけに、前妻が単独で住めるようなものではない。
しかし、前妻はともかく許せないのは山本である。悪質極まりなく逃げ回り、いずれは債権者が諦めるとでも思っているのかもしれないが、それは大きな間違いであることを自覚するべきだ。いつまでも債権者と向き合おうとせず、謝罪の言葉一つも発しないでいることが、どれだけ債権者の怒りを書き立てているか、山本は本当に分かっているのか。それでも、債権者は山本に対する債権を第三者に譲渡していないが、そうなれば、山本自身だけでなく兄妹他身内全員に取り立てが始まり、誰もが日常の生活を送れなくなってしまうのは明らかだ。山本はその時、親族への責任をどうやって取るというのか。その時には一切の申し開きはできないことを、山本は肝に銘ずるべきだ。(つづく)