長谷川幸雄が弁護士登録の抹消を申請したのは、去る令和2年3月末のことだった。鈴木義彦の疑惑を取り上げるネット情報誌は、その時点ですでに長谷川を始めとして平林英昭、杉原正芳の各弁護士に対して懲戒請求の手続きが進められていることを報じていたから、それを知った長谷川がいち早く弁護士を廃業するという決断をしたことはすぐにも分かることだが、この一事を見ても、長谷川という人間は全く信用できない、裁判では都合の悪いことには一切触れず、それ以外についてはもっともらしく主張しているが、鈴木に指示をしてほぼ全てと言っていいほどの虚偽の構築構成したものばかりだ。これは、多くの証拠で誰の目から見ても明かである。長谷川が極めて身勝手な人間であることは明白だ。

(写真:長谷川幸雄。元弁護士。鈴木が親和銀行事件で逮捕された時からの関係にある。鈴木の裁判が終結した後、弁護士登録を抹消したが、鈴木の犯罪疑惑を虚偽の構築で乗り切ろうとした責任が消える訳ではない)

この時期には鈴木がネット情報誌の記事削除を求める訴えを取次の通信業者に対して起こしているが、恐らく長谷川と鈴木が談合をして行動を起こしたことは容易に想像がつく。しかし、裁判に勝訴したはずの鈴木がネット情報誌に対して訴訟を起こした訳ではなく、また長谷川にしても弁護士を廃業する重大な理由が他にあったとも考えられない。鈴木も長谷川も、揃いも揃って矛盾した行動を取っていることを恥とは考えないのだろうか。

これまでの記事でも繰り返し報じてきているように、鈴木に対する批判や問題提起は、鈴木自身が自らの言葉と態度で意思表示をしなければ解決することは有り得ず、ここまで悪質過ぎるやり方(死者も10人前後出ている)への非難はもちろん将来にわたり永久に消えるものではない。

何故ならば、訴訟で鈴木の主張が正当に認められたのではないからで、ネット情報誌が訴えることで改めて鈴木の主張や提出された唯一の物的証拠が検証されたなら、虚偽であり、矛盾だらけの実態が即座に判明してしまい、訴訟でA氏の請求が退けられたことが完全に誤審であることが明らかになるに違いない。その先に見えているのは国税や検察による鈴木への捜査だ。

そして、鈴木が沈黙せざるを得ないような虚偽の主張を構築し、それを主導したのが長谷川であることは明白であるから、長谷川もまた鈴木に呼応して弁護士を廃業するという非常に姑息で無責任な対応しか取れなかったのではないか。しかし、だからと言って、それで長谷川の責任が免れることは決してない。ないどころか、長谷川は自ら鈴木の犯罪疑惑への加担を認めていることになる。

裁判記録や様々な情報を改めて精査してみると、鈴木が親和銀行不正融資事件で逮捕された直後から長谷川は鈴木の弁護を引き受けているが、長谷川が所属していた土屋法律事務所の土屋耕太郎弁護士他複数の所属弁護士も名を連ねていることから、これは同事務所が全面的に鈴木の弁護に関与したことが窺われる。

(写真:土屋耕太郎弁護士 長谷川幸雄が所属していた事務所の代表者。長谷川同様、土屋もまた親和銀行事件から鈴木の弁護を引き受けて来た)

この事件で、鈴木は親和銀行に対して和解金約17億円を支払ったことで、執行猶予付きの判決を勝ち取っているが、その資金の出所がまさにA氏と西義輝、そして鈴木の三者が交わした「合意書」に基づいて実行された株取引で得た利益であることが長谷川ほか土屋法律事務所(土屋耕太郎弁護士、竹内大弁護士)には十分に分かっていたはずである。

鈴木が警視庁に逮捕された平成10年5月30日から判決が下された平成12年9月20日までの約2年半という短期間に、鈴木が約17億円という巨額の和解金を用意できるはずがなかった。エフアールを創業して以降の鈴木は資金繰りに困窮していたのが常態化しており、それ故に親和銀行から100億円以上を不正に融資を引き出していたのだ。しかも鈴木は逮捕される寸前までの過去半年間の間にA氏を騙して20億円を超える資金をA氏から借り入れ、他にも宝飾品や絵画を言い値で買って貰っていたのである。

長谷川は公判中の鈴木に「親和銀行に和解金を払って和解すれば、執行猶予が取れる。そうでなければ実刑は覚悟しろ」とでも囁いたのではないか。鈴木が宝林株取引を開始してわずか3週間ほどで約50億円の純利益が出ていた事実は西も紀井氏も証言しており、当然、それによって鈴木の公判への対応も変わったことは容易に想像がつく。そして、長谷川は、鈴木が逮捕される以前に山内興産から騙し取ったタカラブネ株(約20億円分)の返還を求められた裁判でも鈴木の弁護を務め、山内興産との和解交渉を進めて、約4億円の和解金を支払うことで和解した。この裁判も、鈴木が対応を間違えれば間違いなく刑事事件になっていた。鈴木を巡る当時の状況からすれば、山内興産との訴訟は西が志村化工株の相場操縦容疑で東京地検に逮捕された前後の動きだったからだ。

A氏が鈴木に対して訴訟を提起したのは平成27年7月のことで、山内興産との和解から10年以上が経過していたが、長谷川は鈴木の弁護を引き受けた。いや、引き受けざるを得なかったかもしれない。鈴木が裁判に負ければ、必然的に鈴木が海外のプライベートバンクに隠匿している資金に捜査の手が伸びる。そうなれば、鈴木が親和銀行と山内興産に支払った合計約21億円の和解金の出所にも捜査の眼が向くのは当然で、長谷川はおろか土屋法律事務所全体が大きなダメージを受けることは容易に分かることだ。

しかし、そうであったとしても、鈴木の主張が全て虚偽であることは長谷川にはすぐにも分かることで、それを正当化するためには鈴木の嘘をさらに大きな嘘で塗り固めなければならなかった。それが、合意書と和解書を無効にして、A氏が株取引の利益分配金として受け取った15億円までも鈴木の返済金であると主張することであり、さらに鈴木が平成11年9月30日に債務を完済したと主張しながら平成14年6月27日付の借用書の作成経緯を誤魔化すために、A氏を反社会的勢力と密接な関係にある、暴力団関係者の資金を原資として営むプロの金融業者というありもしない主張を繰り返すことで、この借用書に基づいた返済金10億円を「手切れ金」などと、とんでもない虚偽の主張を捏造したのだ。

こうした一連の虚偽の構築は長谷川が編み出したと言っても過言ではない。裁判では平林も代理人として名を連ねていたが、鈴木は平林を評価していなかったと鈴木の父徳太郎が語っていたという。和解協議後に鈴木が所在を不明にしながら和解書で約束した支払を反故にするために一方的に交渉を再開させた際、代理人に就いた平林は鈴木がA氏に負っている債務額を二転三転させるほど主張の綻びが際立った。存在する債務を無いと言い張る鈴木に言われて、平林も知恵を絞ったのかも知れないが、事実を指摘されれば嘘はすぐにバレる。そこで鈴木は止むを得ず長谷川に弁護を依頼するしかなかったのだろうが、長谷川は、その綻びを消すために、弁護士にはあるまじき多くの虚偽を構築したことになる。

しかし、その虚偽も様々な検証や精査によってほぼ全てが解明された。本来であれば、長谷川もまた鈴木と同様にネット情報誌に対して何らかの抗議や訴訟提起をするのが当然であったが、鈴木と同様に沈黙を続けているのは明らかに不遜と言わざるを得ない。

改めて言うまでもなく、長谷川に対する非難や問題提起も、長谷川が自らの言葉と態度で意思表示をしない限り、問題は決して解決しないことを肝に銘ずるべきだ。鈴木の犯罪疑惑の隠ぺいに加担し、裁判でA氏の請求を退けさせたことで、長谷川は鈴木から裏で多額の報酬を受け取ったのだろう。長谷川本人が自分の報酬が高いことは鈴木を始め周囲の人間に豪語していた。だからこそ、簡単に弁護士を廃業するという選択ができた。しかし、繰り返して言うが、それで自身の責任が免れると考えているなら大間違いであり、自身が行った、弁護士として絶対にやってはいけないことを裁判という公の場で平然とやってのけた責任は必ず社会から取らされるのは当然のことだ。そして土屋法律事務所も当然責任を取るべきである。懲戒処分に値するという意見が関係者や読者の間では圧倒的に多いので、今後はネット上でもさらに世界中に拡散するに違いない。(つづく)