鈴木義彦に読者は怒り爆発(19)

〔戦国時代の名称、真田幸村の言葉に「恩義を忘れ、私欲を貪り人と言えるのか」という言葉がある。これは「受けた恩義よりも金や出世などの欲に溺れる者は果たして人と呼べるのだろうか」という意味で鈴木という人間を言い表した言葉だと思った。まさに鈴木は人と言えない男だ。戦国時代ならば間違いなく斬首の刑で処刑されている〕

〔裁判官は、あらゆる事件を扱うので、得意不得意や、当然専門外的な内容も争点になるわけですよね。その度に突っ込んだ検証もせずに、偏った判決が出されていたら、とんでもない事です。裁判官の能力や知識によって事件を振り分ける制度にしないとダメなんじゃないでしょうか。全ての事案を一人一人の裁判官に網羅してもらうなんて絶対無理で誤審だらけになります。今回は明らかに株取引に詳しい裁判官ではなかった〕

〔鈴木は、親和銀行事件で青田と共謀して頭取にハニートラップを仕掛け、スキャンダルを作り上げた。それを他人がやったようにして頭取に取り入り、莫大な融資を不正に引き出した。この融資も最初から返済する意思もなく盗んだのと同然だった。流石にこの詐欺事件では裁判官は懲役3年、執行猶予4年の有罪判決を下したが、鈴木の犯した罪を考えると予想外に軽かったようだ。これは、西が、知人で今は亡き「闇社会の守護神」と言われた田中森一弁護士を親和銀行に紹介し、その田中弁護士が顧問に就任したことや、鈴木が17億円という和解金を払った事も功を奏して軽い刑で済んだのだろう。鈴木は100億円以上と言われる融資額を4年間の刑の執行猶予と約17億円の和解金で済ませることが出来たのである。ちなみに、この時も長谷川弁護士が鈴木の代理人だったという。借金だらけの鈴木にとって執行猶予が付いた刑は表社会から隠れられる理由としてむしろ都合が良かったのではないか。西は保釈された鈴木が「愛人宅で朝から酒に溺れてやけくそになっていた」と言っているが、この頃に鈴木が拘留中に考えた悪企みを実行に移す相談を2人でしていたのではないだろうか。勘繰り過ぎかもしれないが、その悪企みというのが「株取引プロジェクト」ではなかったか。そうしたところに宝林株800万株を売りたいという話が西に持ち込まれた。そうであったとしたらこの2人はとんでもない極悪人だ。西が死んでしまった今では想像するしかないが、鈴木と西ならやりかねない〕(関係者より)

〔この裁判、どう考えても不公平、不公正です。A氏が出した『合意書』『和解書』ほか証拠書類のほとんどが却下されたのに、鈴木の嘘で固めた主張や平林と長谷川の両弁護士と鈴木が合作した度の過ぎた作り話がどうして採用されたのか? しかも唯一の物的証拠である確認書は鈴木に懇願されて、西が手形13枚の額面総額と同額の借用書と鈴木に交付する確認書があくまでも便宜上のものであることを記した書面をA氏に渡したので、A氏が仕方なく書いてあげたものだった〕

〔この記事を読んで裁判所と裁判官に対しての不信感ばかりを感じていて怒りと絶望感さえ覚えていた。しかし、数日前にヤフーニュースに「オウム真理教」が犯した「地下鉄サリン事件」「坂本弁護士一家殺人事件」の裁判を傍聴したジャーナリストの青沼陽一郎氏が判決に至るまでの記録を書いた「私が見た21の死刑判決」(文春新書)という著書から抜粋した記事が掲載されていた。オウム真理教の犯した犯罪は数多くあるがまず思い出すのは「地下鉄サリン事件」と「坂本弁護士一家殺人事件」だ。サリン事件の主犯は、林郁夫だ。誰もが「死刑」を想像したが自首したことで減刑されて「無期懲役の」の判決を受けている。林は法廷でやたらに泣いたらしい。傍聴席の遺族被害者が一緒になって号泣する場面もあったという。裁判も終盤になると、被告人質問に溢れてくる感情を抑えきれずに、号泣する。それを見ていた裁判長が、林の自白は打算的でなく、反省、悔悟の情があるとして「死刑だけが本件における正当な結論とは言い難く、無期懲役をもって臨むことも刑事司法の一つの在り方として許されない訳ではない」と判決理由の最後をそう締めくくった。そして最後に「主文、被告を無期懲役に処す」と判決を言い渡した。もう一つの「坂本弁護士一家殺人事件」の主犯は岡崎一明だ。岡崎も自首して自白しているが検察官はこれを自首とは認めなかった。自首がなくともやがて事件の真相も明らかになった。これは自首、自白に当たらない。捜査への貢献も大きくはないと主張した。しかし、裁判官は岡﨑の自首は「捜査機関に発覚する前」「自発的申告」「犯罪事実の申告」「自己の処罰を求める告知」これらの要件を満たしているのだから自首は成立すると認定した。それどころか岡崎の自白が突破口として共犯者の自白も引き出せたと自首の成立を認めて賛辞まで贈っている。青沼氏はこれを聞いた途端、岡崎の背中が緩んだ気がした「思惑通りに事は運んでいる」とでも言っている様だと言っている。ところがここからが同じ裁判長による、林と岡崎の評価の違いだった。死刑と無期懲役を分ける被告への評価、裁判所の認識と言うものを、厳然と示した。言い換えるなら、社会の良識とされる裁判所の本領を見せつけた。マスコミや大方の人達は、林と同じく自首を認めたことから「無期懲役」の判決が下されると思っていた。しかし、裁判官たちは、岡崎の本性を見抜いていた。「自首の動機が自己保身であり、真摯な反省でないからには自首は減刑の対象にはならない」と裁判長は言ったのだ。むしろ、「したたかさと狡猾さが認められ、人間性の欠如という被告人の人格の一端を垣間見ることが出来る」と指摘した。そして裁判長は判決を言い渡した「本件は死刑を避けてあえて無期懲役に処する事案とは一線を画すものであり、被告人に対しては極刑をもって臨まざるを得ない」と裁判長は説明した。そして裁判長の指示で被告人は証言台の前に立たされ、裁判長は直立不動の被告人を前に見据え、「主文、被告を死刑に処す」被告の岡崎は微動だにしなかった。いや動こうにも動けなかった。青沼氏は「この時、私は裁判所(裁判官)の畏敬ともつかない恐ろしさを見たような気がした。」と述べている。岡崎の判決に署名、押印をした3人の裁判官の内、左陪席にいた裁判官は10年後、広島高等裁判所で山口県光市の「母子殺害事件」の差し戻し控訴審で左陪審をつとめていた。この時も犯行時18歳の少年だった被告人に死刑の判決を言い渡している。それからもう一人右陪席にいた女性裁判官。彼女もまた10年後に名古屋地方裁判所の裁判長を務めるまでになった。そして、岡崎と林に判決を言い渡したY裁判長は出世を拒んで判事を退官。今は、東京の弁護士会に所属する弁護士になっている。「オウム真理教事件」と今回の裁判とは比較にならないことは勿論分かっているが、私が言いたいことは裁判官の資質と能力の差だ。一般人が持っている裁判官のイメージはサリン事件と坂本一家の事件を裁いた裁判官のような厳格で正義感に溢れたブレない裁判官の事だ。ヤフーのニュースを読んで日本の法曹界も捨てたものではないと少し安堵した。しかし、それにしても今回の裁判の裁判官は酷いな。自分の能力のなさを恥じて辞めるべきだ。今回の地裁、高裁の6人の裁判官に言いたい。これが本当の裁判官としての使命を全うしていると胸を撫で下ろす読者は多いと思う〕

〔鈴木の側近で、株取引の利益金の管理を任されていた事もある紀井氏の生々しい証言も、全て裁判官は採用しなかったのでしょうか。だとしたらそれは何故?明らかに合意書に基づく株取引が行われた証拠となるのに。とにかくこの裁判官達はことごとくA氏の証拠を軽視している。それに多くの大事な証拠を無視している。これでは勝てる裁判も勝てるわけがない。裏があると思われても当然の裁判だ〕

〔鈴木がA氏に預けていた手形は後日言い訳の聞かない筈の証拠だったが西と相談して「支払期日の前に現金を持参するので銀行口座から取りたてはしないでほしい」と言っていたが支払期日を書き換えたりしてずるずると返済を延ばしてもらっていた。これは西の口添えがあったからでこれは詐欺師の常套手段だ。鈴木は最初からの融資金も一銭も返済していない。鈴木と西は最初からA氏を騙すつもりだったのか〕

〔因縁の出会いの章に、鈴木は融資を受けていた親和銀行から「価値のない不動産を担保にして更に20億円を引き出すことに成功した」とありますが、すでにこの時点で大胆にも銀行までも騙していたとは驚きです。そしてA氏を騙したのと同じ手口の株で、会社社長を騙し訴訟を起こされている。どの章を読んでも呆れるばかりで、知れば知るほどとんでもない人間で怒りがこみ上げてきます〕

〔西が香港に行く際に妻に書き残している置手紙に「鈴木と2人の約束は、今後宝林株だけでなく、あらゆる第三者割当増資(ユーロ-債)から得られる利益は経費を除き折半する約束」「平成11年から14年までは鈴木は私との約束を守り、30億円の金を払ってくれた」と書いてある。その他に合意書破棄の報酬として10億円を受け取っている。これを見ても鈴木が合意書締結以降、株取引で株取引を実行し、巨額の利益を得ていたことが明らかではないか。鈴木と西はこの密約で合意書の取り決めに違反している。二人の権利は消滅している。合意書は裁判官が無効にしてしまったがあらゆる経緯、背景から有効だという事は、我々、素人でも解る。絶対に再審請求をするべきだ〕

〔和解書作成時において紀井氏により、鈴木の株取引の銘柄と純利益総額が暴露されたことで、鈴木が多額の利益金を隠匿している事実が判明した。その事で鈴木も相当焦って追い詰められた気持ちになったのか、西に対して「じゃぁ命落とせばいいじゃないか。それだけの腹あるのか、お前」などと暴言を吐いているが、それは鈴木に振り向けられるべき台詞だ。鈴木、お前こそ「それだけの覚悟でこんな真似をしたのだろうな」と。どんな事情があったとしても、この裏切り行為は許されない。世の中には謝罪だけでは済まされないことが沢山あることくらい分かっているだろう〕(関係者より)

〔鈴木にしてみれば、西にA氏を裏切らせたことは、してやったりでしょうね。株取引の証拠を全く残さずに海外に隠匿する環境をせっせと整えて、出来る限りA氏と接触しないようにした。鈴木の目論見が面白いように思い通りに進んでいったのだから、この男は笑いが止まらなかったんじゃないの〕

〔鈴木は宝林株の取引で予想外の利益を生む事が出来たおかげで、その巨額の利益から親和銀行に示談金の17億円を支払うことができて実刑を免れた。A氏との出会いがなければ株取引で多額の利益金を手にする事が出来なかったから、当然、示談金の17億円も払えず懲役3年の有罪判決に執行猶予はつかなかった。そのことだけでも鈴木にとってA氏は救世主的存在であることをもう一度振り返って考えてみろ。保釈直後に西が毎日のように訪ねた時、鈴木は朝から飲んだくれて自暴自棄になっていたというではないか。しかも、西に宝林株800万株の買取話が持ち込まれたから再起のチャンスが巡ってきたが、その宝林株の買取資金3億円を出したのも、その後株取引で買い支え資金約58億円(総額では207億円)を出したのもA氏だった。それもこれもなかったことになれば、鈴木は一体どういう事になっていたか分かっているはずだ〕(以下次号)