無罪主張の裏で多額の賄賂バラ撒きか

まさに犯罪のデパートと言っても過言ではない青田光市がタイで刑事事件の裁判にかかっている。それも欠陥プラントをわざわざタイまで持ち込んで販売したうえに販売代金5000万円のうち2500万円を水増しした容疑がかかり公判が開かれている。わざわざタイまで行って犯罪を犯すな、日本人の恥さらしと言いたいくらいだが、青田は必死になって罪を逃れようとして検察や裁判所(?)にまで賄賂をバラ撒いているようだから、逆にその資金の出所を洗うと、間違いなく鈴木義彦のペーパーカンパニーより青田に振り込まれている事実が明らかになる。青田は以前は鈴木を「アンちゃん」と呼んでいたが、最近は「兄い」と呼んでいる。この兄いが鈴木と分かるのは大型クルーザー、モナコのコンドミニアム、F1のスポンサーになる予定等の話を日本でも青田は周囲の人間に自分の事のように自慢していたからだ。

(写真:青田光市 タイで欠陥プランを販売したとして刑事告訴された。そのうえに青田は販売価格の半分に当たる2500万円を地下銀行を使って日本に送金した疑いが持たれている。写真提供=読者投稿)

すでに青田については、鈴木義彦の“裏方”の汚れ役として、過去には鈴木が警視庁に逮捕された親和銀行不正融資事件の発端となった辻田徹頭取(平成10年当時)が仕掛けられた美人局事件の仕掛け役として、また平成17年頃には赤坂マリアクリニックの乗っ取り事件を起こしていたほか、鈴木が海外に隠匿している1000億円以上の資金に絡み、平成20年6月11日にA氏の代理人を務めていた利岡正章が伊東市内のパチンコ店駐車場で暴漢2人に襲われた事件の教唆犯を鈴木と共に強く疑われるなど関係者数人の証言があるが、現時点ではまだ名前は出さないようになっている。青田の日常が犯罪と暴力にまみれている事実を本誌では報じてきた。

青田には30年来懇意にしてきた稲川会系の習志野一家のNo.2である楠野伸雄との関係から、青田が事件を起こす際には必ずと言っていいほど習志野一家の構成員が関わってきた疑いが持たれている。

青田がタイで起こした事件の裁判は今年に入ってからコロナウイルスの感染対策のために裁判所が長く閉廷しており、約半年ぶりの再開となるが、12月1日に法廷が開かれるというので、青田はすでにタイに入国しバンコク市内のホテルで約2週間の待機を求められている状態にあるという。日本の外務省がタイに対する渡航に係る注意勧告のレベルを下げたことから、青田も渡航が可能になった模様だが、裁判が再開されたことで青田の詐欺事件が改めて脚光を浴びることになる。

青田がタイで事件を起こしたのはこれが2度目で、最初は平成17年頃に「ブルーバンコク」という会社を設立して、IP電話の販売を事業目的にしていたという。関係者によると、青田は威圧的な言動とチンピラ然とした下品な身なりで印象が悪く、とても真っ当に付き合える相手ではなかった。青田を紹介した人間でさえ「青田との付き合いは気を付けるように」と釘を刺していたというから、日本での暴力的言動をそのままタイに持ち込んだに違いない。

IP電話の販売対象はバンコク在住の日本人だった。当時は国際電話料金がかなり高額で、インターネットの通信代と通話料で国際電話が利用できるという触れ込みだったようだが、価格設定の悪さや営業体制の不備等の理由で業績が上がらず、青田は始終不機嫌で駐在員(青田が経営する人材派遣会社の日本人登録者)に当たり散らしていたという。その後、ブルーバンコクは地元企業と代理店契約を交わしたものの契約に基づいた金銭でトラブルが発生し、青田は地元企業を紹介した関係者をひどく責めて「責任を取れ」とまで言及したため、関係者は青田との連絡を絶った。すると、青田は日本からヤクザ風情の人間を多数引き連れて関係者の会社に乗り込んできたため関係者が警察に被害届を出すと、青田はあっという間に関係者への攻撃を止め、連絡も来なくなったという。前述したように青田が引き連れてきた多数のヤクザ風情の人間は習志野一家の構成員と思われるが、「1000億円脱税疑惑を追う」でも取り上げた赤坂マリアクリニックの乗っ取り事件と全く同じ構造だ。

そして2度目となる今回の事件は7年前の平成25年頃から始まった、水と軽油を混合するプラントの販売だったが、これは明らかな欠陥プラントだった。青田は日本企業の役員を務めており、タイに現地法人を設立したうえでその現地企業との間でタイ国内での販売代理店契約を結んだ。同社の代表はタイ人女性でエンジニアだったが、青田はプラントについて、すでに日本で多くの販売実績があり、海外にも輸出していると虚偽の説明を行っていたという。青田から見せられていた商品説明の資料には1時間あたり200リットルの燃料(水50%:軽油50%の割合)が製造でき、毎日10時間、20時間と連続して製造することで大幅な燃料代の削減になると謳っていたが、実際に購入後に届いたプラントでは、資料にあった通りの製造ができないものだった。

青田自身がプラントの開発をした日本企業の役員を務めていながら、プラントの具体的な説明ができず、日本から持ち込んだ資料を相手に渡して「これを読め」という程度だったようだが、女性代表者が実際のプラントを視察したいと申し出ると、シンガポールに販売したものがあるため、そこに見に行ったという。そして、シンガポールでは確かにプラントがあったそうだが、稼働しているところは見せてもらえなかった。

「稼動していない設備を見て、購入ムードが高まって購入を決めてしまった現地企業が慎重さに欠けるとは思うが、責められることではない」

と言う関係者が輸入されたプラントを始めて見たのは、現地企業のスタッフに操作方法をレクチャーして運用テストを行っている頃だった。青田は自分たちの勝手な都合で約半年ほどプラントの到着を遅れさせ、現地企業はその間の高額な空家賃を浪費させられた上、いざ運用指導が始まっても、運転が上手くいかないままに時間が過ぎた揚げ句にプラントを何度も移転させなければならない事態が起きた。現地企業から再三にわたって、必要な水の基準を求めたそうで、それがより良い環境を求めて度重なる移転につながったというのだ。当然のことに4度もの移転には大きな経費負担が生じ、プラントは最後まで燃料生産ができないまま終わった。

現地企業はプラントの購入で5000万円を支払っているが、青田が「節税のために」という希望を出したことで2500万円の契約書が2通作成された。しかも支払方法が巧妙で、2500万円は送金だが、残る2500万円はキャッシュで青田が受け取る形になった。現地企業は領収証を受け取っておらず、送金時の書類があるだけだった。また青田がキャッシュで受け取った分についても、青田が「スマホで写真撮影をしよう」と言い撮影したが、それは青田側のスマホで、その後画像データが現地企業側に渡されることはなかった。そのため、現地企業は5000万円を支払っているにもかかわらず、裏付けとなる証拠がなく、裁判で青田は合計2500万円だったと主張し、例え何らかの補償をするとしても2500万円をベースにすべきと主張を続け、これが争点の一つとなっている。金銭の授受で書類を作成しようとせず、領収書さえ渡さなかった青田のやり口は鈴木とそっくりだ。

ちなみに、プラントを開発した日本の会社には2500万円しか入金されておらず、青田が搾取していることは明白だった。日本企業の社長は青田が総額で5000万円を受け取った事実を知らない様子だった。青田は現金で直接受け取った2500万円を、タイで有名なある両替商の地下銀行を使って日本へ送金しており、現地タイ人も立ち会っているため間違いない事実だが、証拠は残っていないという。

プラントが稼動しないまま問題が長期化すると、青田が設立した現地法人のタイ人代表者は、ますます青田から距離を置くことになった。そのため関係者が青田と現地企業の間に立つ連絡係のような役目を任され、色々な問題を見聞きすることになった。猜疑心の強い青田はタイ人代表者が裏切り現地企業側に付いたと考え、関係者にどういう状態にあるかを探るよう依頼をしたというが、販売をしたプラントがいつまでも稼働しない責任を感じていたタイ人代表者が、現地企業の立場に立ち、青田に意見をするなどしていたため、青田としてはタイ人代表者が邪魔な存在になった。そして、代表者が不在のまま株主総会を開き、代表から外してしまった。タイ人代表者の署名も偽造し、書類を作成し登記の書き換えを行なってしまった。

現地企業は遂に地元警察に被害届を出し、警察は詐欺の容疑で青田を逮捕したが、青田はすぐに保釈された。青田は自分の主張をまとめたかなり分厚いファイルを逮捕から2日後には警察に提出した後に日本へ逃げ帰ってしまったという。だが、青田の逮捕に関係した地元の警察官が行方不明になっていることから、警察官が青田から多額な金を受け取ったと強く疑われている。

関係者によると、青田はタイでも鈴木義彦の名前を頻繁に出していたという。「青田はその人物のことを『兄い』と呼んでいた。モナコでマリーナの見える数十億円のコンドミニアムの部屋のバルコニーからF1モナコグランプリを観戦した話や、F1のスポンサーをするという話、購入した大型クルーズ船の話もしていた。

(写真:鈴木義彦 青田が金のためなら違法行為も厭わないことを見込んで、鈴木は青田を重宝に使ってきたが、いつまでも発覚しない訳はない)
(写真:鈴木義彦 鈴木は青田の要請に応えてプライベートバンクに隠匿している資金からタイへ送金した。金額が大きかったために銀行から照会がかかり、青田は借金の返済金と偽ったが、鈴木はこれで大きなリスクを負った)

また、ある時、青田が所有するバンコク銀行の口座にお金が兄いから振り込まれたが、多額(金額は不明)であるため、バンクオフィサーから何のお金か説明を求められたので、関係者を銀行に同行して、『貸した金を返却してもらったということで説明して欲しい』と頼まれたこともあった。その人物の本名はもちろん、どんなビジネスをしている人なのかも青田は話題にしなかったので、分からない。青田からはその人物に関連してサハダイヤモンドという社名が出たことがあった程度だった」

これだけの話が青田から出れば、その人物が鈴木義彦であることは間違いない。やはり、青田を知る関係者が言うように、青田は軽口を叩いて鈴木との関係を自慢話のように喋っている。その性格は変わらないに違いない。

青田が金を自由に動かせるのは、鈴木が何から何まで世話になったA氏から莫大な資金を騙し取った金であることは、青田自身も百も承知のはずだ。だから、青田は紀井氏に「A社長に土下座してから話をさせて戴きたい」と頼んだはずだが、金額の余りの大きさに驚き、払わずにうやむやにする話を鈴木に持ちかけ、平林もそれに同調して多くの虚偽を並べ立てた。これは今後大問題になるはずだ。

12月1日に予定されている法廷で、青田は何を陳述するのか。日本の新聞や通信社、テレビ局等がバンコクには数多く支局を置いているため、あるいは傍聴席に報道陣が身構えていることだろう。青田光市も今までのように好き放題に悪事に手を染め続けてきた報いを受けることになるのではないか。同時に、青田に頼まれて鈴木がバンコクに送金した事実は現地の銀行に記録されているため、鈴木が隠匿している1000億円以上の資金の一端が、送金をしたペーパーカンパニーの口座の解明や運用履歴等によって炙り出される可能性も高まっている。

この事件でも鈴木の1000億円以上の隠匿資金のほんの一部が送金されたが、海外の銀行(特にスイス)の日本人担当者は、鈴木の顔は分かっていると思われるので、念のために今回も鈴木と青田の写真を掲載するが、今後、鈴木の事件については後から犯罪の共犯にならないために、すぐに現地の関係機関と連絡を取ることを薦める。この2人は日本では何もできない状況下に置かれているはずだ。 (つづく)