「小野敏雄と知り合って、1、2回ほど電話とメールをしたことがあったが、その直後に小野から自分の履歴を携帯電話に残さないようにしてくださいと、紹介者を通じて連絡があった。特に秘密を守らなければならないような内容ではないので、その場で履歴を消したが、随分警戒心が強い人だと思った」

この小野の言動について小野を知る多くの関係者が言う。

「小野が会社役員に話していた入金話が全て嘘だったことが分かり、改めて小野の言動を考えてみると、嘘が発覚した時の証拠を残さないようにしようと最初から計画していたことだと思う。周到というか詐欺ばかり働いているから、そういうところには目鼻が利くんだろう。この男は他の人のことは『有り得ない』とか悪評するが、自分のやっていることはここまでいい加減なことを長い間続けていて、何も思わないのか」

令和2年も押し詰まった11月30日が最後の約束となったが、いきなり小野が会社役員との連絡を絶ったために会社役員の怒りは頂点に達した。過去30年以上にわたって積りに積もった貸付金は金利を含めて10億円以上にも上っている。最初は建設業者(一建)からの入金が遅れて、他への支払が間に合わないという理由をつけて、小野は会社役員から4000万円を2回、合計8000万円を借り入れたが、その後は返済の約束を先延ばしにするばかりか、新たな借り入れを会社役員の紹介で借りて元金も金利も増えるばかりだった。そして、昨年8月頃から小野が具体的な返済計画について設備会社社長より8000万円の融資があり、それを返済に充てる話が延び延びになる中で今年の7月1日には金額が3億円になった話や沖縄の知人から2000万円の入金話、以前からの残土処理事業などを会社役員に相次いで持ち込んだが、結果としては一つも実現しなかった。小野が会社役員との連絡を絶ったことで、これらの入金話がいずれも嘘だと会社役員は確信したのだ。

小野は返済を先延ばしにするウソの入金話を次から次に会社役員に言ってきたが、それも限界になり、結局は会社役員の前から姿を消すしかなかった。しかし、それで問題はより深刻になった。それまで上辺だけの律儀さを強調して真面目に対応していた小野が掌を返すような態度を取ったことで、会社役員は小野の裏切りを確信した。小野の言動は何から何まで会社役員への返済の先延ばしと金を引き出すための詐欺でしかなかったのだ。小野は自分の正体が発覚しないように慎重に対応してきたものと思われるが、やっていること自体が卑劣である。

小野が国学院大学のレスリング部監督を務めていることは前回にも触れたが、小野はその肩書で詐欺にかける被害者を探すためにシュートボクシングほかのサークルを使っていたことが発覚したようだが、もはやその肩書も周囲の関係者には通用しないだろう。誰も小野を信用しなくなるのは当然だ。まして、自身の妻の実家まで詐欺の材料に使って相続話をでっちあげたのだから、そもそも小野が平成10年11月に公正証書を作成した際に妻が連帯保証をしている経緯を併せて考えれば小野が今後、孤立していくのは目に見えている。そうしたことが分かっていて、小野は何故、自分自身を追い込むようなことをしているのか。小野との連絡が取れなくなったために、会社役員と小野の共通の知人が小野の自宅に出向くと、すぐに警察に電話をして警備を頼んだり、会社役員が小野の消息を尋ねるために小野の妻の実家に電話をしただけで、小野は弁護士に連絡をして「妻の実家にまで借金のことで電話をした」などと嘘の脚色をして、自らを被害者に見せかけようとした。これでは会社役員ならずとも小野に対して憤りを持つのは当然だった。

小野が依頼した弁護士に対しては、最初から年末は忙しいので、12月10日までであれば日時を合わせると言い、借用書ほか必要な書類も送ってあるのに、12月末まで待って欲しいと時間稼ぎのようなことをしている。小野から真実の話を聞き出すのに1時間もかからないと思うが、少なくとも本誌が指摘している通り、小野は事前に会社役員に本当の話をして最低でも善後策を講じることをせずに、いきなり連絡を絶って姿を消し、前述したとおり弁護士を“防波堤”に使おうとしているのである。関係者は言う。

「小野の神経を疑う。誠意のかけらもない本当に腐った人間だ。小野の言っていること、やっていることは相手を怒らせるばかりで、30年以上も頼み事を聞いてもらい、散々迷惑をかけてきても付き合いが続いた、小野にとっては一番大事なはずの会社役員が小野を見放すようなことになれば、恐らく世間は誰も小野に見向きもしなくなる。その時に『バカなことをしてしまった』と気づいても手遅れだということが分かっていない。実際に、会社役員も堪忍袋の緒が切れているから、今さらどうしようもないが・・」

今さらの話ではあるが、先ずは小野自身が会社役員に謝罪しなければ問題解決はいつまでも始まらない。会社役員の所に出入りしている5人ほどの人間が小野のことをよく知っているが、こんな奴はいない、ここまで悪い奴は徹底的にやるべきだという声が上がっている。やり方が男とは思えない。最低と言われる人間でもこのようなやり方はしないし、特に小野を知る先の5人だけでなく、他の関係者も呆れて言葉にならないようだ。(つづく)